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“なんとなく価格”があなたを貧しくする――価格設定のリアル

  • orita90
  • 2023年1月22日
  • 読了時間: 4分

更新日:4月5日

価格設定について

大きな企業様から価格設定についての相談をいただくことはあまりありませんが、たまにフリーランスや規模の小さい企業様からご相談を受けることがありますので、今回は私の考えを少し述べてみようかと思います。


価格設定こそがはじまりなのでは?

相談を受けていて思うのは、「なんとなくの価格設定」をされている方が多いのではないかということです。最終的な利益を想定して、商品・サービスの価格設定を行わなければなりません。そもそも利益が出ないのであれば、その商品・サービスを提供する商売自体、見直すべきです。

また、フリーランスの方に多いのが「料金表がない」というケース。これでは、ビジネスの相手方に予測可能性を与えていないうえ、交渉の際に土台となる金額がないため、結果的に安く買いたたかれてしまうことにもなりかねません。


いくら利益を出したいのかを考えよう

前章でも述べたように、最終的な利益を意識して価格設定をした方がいいでしょう。たとえば「月の売上を300万円にしたい」と目標を定めれば、何をいくらで、何個売ればいいかが明確になります。

一方、なんとなくサンドイッチを300円で売る、コンサルフィーを月5万円に設定する……といった感覚では、安定した売上は見込めません。見せ方を工夫して、サンドイッチを1,000円で売る、コンサルフィーを月50万円にする――それだって十分可能です。

よくビジネス書にも書いてあるように、たとえば① コスト削減効果に基づく顧客価値の提示② 利益創出効果に基づく顧客価値の提示この2つの視点くらいは持っておくと良いと思います。

たとえば「このサービスを導入することで年間240万円のコストカットが可能。さらに生産性が10%向上し、年間1,000万円の売上増が期待できる。つまり、合計1,240万円の価値がある。よって当社サービスの500万円は非常にリーズナブルです」といった具合です。

価格の“魅せ方”は、その人のセンスが問われる部分でもあります。


基本価格は上げたほうがいい

「価格は上げ続けることが、生き残りの秘訣」と誰かが言っていましたが、私もまったく同意です。実際、私自身も自社サービスの価格を3段階ほど引き上げてきましたが、むしろ価格を安く据え置いていた企業の方が、市場から脱落しているケースが多いように感じます。

自社のサービスに自信があるのなら、価格(=単価)を上げるのは当然ですし、その価格でも顧客が満足する状態を作っていかなければなりません。ブランディングとも関係する話です。

もちろん、値上げによって一定の顧客が離れていくことはあります。しかし、それでも売上全体は上がりますし、離脱した顧客に対しては「自社の改善ポイント」として真摯に受け止めればよいのです。

もう一つ価格を上げるべき理由は、安価なもの――必ずしも“偽物”とは言いませんが――品質の低い商品・サービスが市場にあることで、高品質なものが際立って売れるという現象があるからです。ハイブランドが偽物を“放置”しているとも言われる理由のひとつかもしれません。

質の低いものが市場の“最低ライン”を形作ってくれることで、普通のサービスを普通に提供するだけで自然と高単価になってくる、という側面もあります。





あるある話

知り合いや友人に、つい安くサービスを提供してしまう――これで痛い目を見る人は本当に多いです。

もちろん、気持ちよく値引きしてあげたいという思いもわかります。でも「なんとなくの値引き」は絶対にNG。同じ単価でその周りの友人にも提供しないといけなくなる可能性もあります。

だからこそ、最終的な利益をきちんと見込んだうえで、“得をしながら気持ちよく”値引きするのが商人のあり方。なんでもかんでも安くしてしまうのは、いわば“商人失格”なのです。

最後に

ここまで読んでくださったあなた、価格設定への意識がすでに上級者かもしれません。「時間を使って価格の話を読む」――なかなかの変わり者で、しかもとても素敵です。

また次回も、こっそりあなたの時間をちょっとだけお借りできたら嬉しいです。ありがとうございました!




 
 
 

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(ブログ、折田裕彦、弁護士、税理士、社労士)

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